吉本興業のお笑い芸人、小籔千豊(こやぶかずとよ)さんが出る、厚生労働省の啓発ポスターが批判を浴び、同省が自治体への発送をやめた問題をめぐって、11月28日の国会で追及が行われました。
ポスター出演の契約価格が4070万円だったことを明らかにされ、高額報酬についても話題となっているようです。
今回、問題視されている人生会議のポスターについてまとめてみました。



もくじ
人生会議のポスター内容は?
ポスターには死にゆく人が家族に不満をぶちまける内容が書かれており、小籔さんが死を目前とした患者として酸素チューブを鼻につけ、ベッドに横たわりながら、心の声を明かしている内容になっています。
青ざめた暗いイメージで撮られた写真に重ねられているのは、自身の望みを伝えることができなかった家族に対する不満の言葉。

ポスターに書かれた内容
まてまてまて、俺の人生ここで終わり?大事なこと何にも伝えてなかったわ
それとおとん、俺が意識ないと思って隣のベッドの人にずっと喋りかけてたけど全然笑ってないやん。
声は聞こえてるねん。はっず!
病院でおとんのすべった話聞くならいえで嫁と子どもとゆっくりしときたかったわ、ほんまええ加減にしいや
あーあ、もっと早く言うといたら良かった!こうなる前に、みんな「人生会議」しとこ
ポスターの小籔さんの胸の上には、心電図モニターの波線が重ねられており、死の直前の場面であることが表現されています。
今回のポスターは何が問題なのか?
今回の件に関して、「患者にも家族にも配慮がない」「誤解を招く」として、厚労省の作成した「人生会議」のPRポスターにがん患者団体が「当事者や患者の心情を配慮していない」と抗議を行っています。
がん患者の仲間や家族へ相談支援を行なっている卵巣がん体験者の会「スマイリー」代表の片木美穂さんなどが、厚労省の医政局長や地域医療計画課在宅医療推進室長、PRポスター担当者あてに、下記のような抗議の文書やコメントと発表しています。
卵巣がん体験者の会「スマイリー」代表の片木美穂
『人生会議』のPRポスターについて改善のお願い
「がん=死」を連想させるようなデザインだけでもナンセンスだと思いますが、このような強い後悔を感じさせる恐怖感を与えることで本当に「人生会議」をしようと思うのでしょうか?
これを目にする治療に苦慮する患者さんや残された時間がそう長くないと感じている患者さんの気持ちを考えましたか?
全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長
これでは人生会議というよりは、死に方会議のポスターです。自分は死ぬとは思ってない人が考えたポスターではないでしょうか。
ACPは必要だが、その内容を誤解させかねないし、脅しとも取れる内容で啓発として有効か疑問だ。関心がない人たちに『刺さる』ことを優先し過ぎて、当事者への配慮を欠いている
認定NPO法人希望の会の轟(とどろき)浩美理事長
これはACPへの誤解、そして遺族を傷つける可能性もある。家族に対し失礼でもある」とつぶやいた。厚労省に「不安をあおるもの
※スキルス胃がんの患者や家族を支援するNPO法人
ネットの反応は?
全然いいと思うな。少し笑い入れてるのも普段こういうことを考えてない人に興味持ってもらうためのアプローチとしていいと思う。
暗すぎてもダメ笑い入れてもダメ、どうやっても文句つける人がいる様ですね。
というかがん=死を連想させると言ってる方、一般の人はこのポスター見て、がん自体連想しませんけど。。
“がん=死”というのはこのポスターを見て考えもしなかったのですが、これはガン患者に向けての啓発なんでしょうか。
誰しも老衰で亡くなるわけではなく、その瞬間は突然やってくる。だからそれに備えて話し合う機会を持とうという意味にとらえたのですが…。
私自身、術後の麻酔がさめきらない中、話せないのに耳だけははっきりと覚醒していて、家族の会話の内容はすべて聞こえていました。だからこの感覚は分かるところがあります。
なんでこう、みんなして「配慮されて当然」病なんだ。
突然の事故で仕事中の知らん間にあっさり逝かれた身内を持ってる人から見たら、がん患者なんて話し合う時間がたっぷりある恵まれた逝き方じゃないか。
しかも今や延命率も高くなって必ずしもすぐ死ぬ病気じゃないし、生き延びたら生き延びたでサバイバーとしての生き方もあるし。
生きている限り誰でも死は訪れます。
それが突然ということもあるでしょう。
今まで後悔をしてきた患者、家族が多かったからこそ、
そうならないように生前にしっかりと考えておきましょう、という
意図は十分にわかります。
抗議している人の気持ちもわからないではないですが、
では、どのようにして後悔しないように生前に考えておくことを啓発するのが適当と考えているのか、とりあえず代案を出してみてもらっていいですか?
賛成の声
不快感を覚えるという患者や家族の気持ちは理解はできる。まぁ、ギョッとするよね。人生会議の方向性やアプローチに怒る医療者がいるのも理解できる。
でも、いま健康な人に考えてもらうための広告だ。
— 幡野 広志 (@hatanohiroshi) November 28, 2019
生きてるうちにキチッと話し合っとけというのは、毎日30分の運動で~と同じくらいの高難易度なので、人生会議云々は至極まっとうな広告なんだが、未だに存命中に死の話は縁起が悪い信仰は根強いなと
— 蝉丸P@4/27新書「住職という生き方」発売 (@semimaruP) November 28, 2019
ぼくは病気になってから、残りの人生をどう生きるか?ということを妻と話し合っていまがある。すごく生きやすいし、たのしく生きている。
人生会議ってどう生きるか?という話なので本来、健康な人にこそ必要なことだとおもう。
— 幡野 広志 (@hatanohiroshi) November 28, 2019
人生会議のポスターで議論している人たちは、一度このツイートをよく読んでいただきたい。
がん患者さん達が不安な思いを持たれていることはとてもよくわかります。
それでも
「人生会議そのものは大切に思っている」
と伝えていただいているのに、それを報道しないとは一体どういうつもりなのか。 https://t.co/HLEJHCUTo1
— Taka@救急医 (@mph_for_doctors) November 27, 2019
人生会議のやつ
医療者と思われる方々は軒並み賛成意見が多く見られます
それだけ現場で、死に瀕した時の本人意思がわからず問題となることが多い
みんな、人間の致死率は100%ですよー!
— Dr.ほねっこ (@Arin44169400) November 28, 2019
人生会議ポスターの案件、何が悪いのかわからなかったが、否定的な意見をいくつか追ってみたところ「小藪の顔がウザい」が八割だったウサね。くだらなすぎワロタ。宇崎ちゃんのときも思ったけど、こんなクレーム放置すりゃいいのにと思うけど、よっぽどクレーマー鬱陶しいムーヴするんだろうな。
— 🐰オイルパラダイス京都🐰 (@oiparasan) November 28, 2019
配慮がないって怒ってる人へ
病気が
怪我が
死が
配慮をもってあなたや家族に来るものだなんて、なぜ思うの?
突然降って湧くものですよ
話し合わずに来て、残された家族が一生後悔するのを何人見てきたと思ってるの?
ぼっちもだ
意識無かったら基本延命だぞ
心して話し合え
配慮がないって怒ってる人へ
病気が
怪我が
死が
配慮をもってあなたや家族に来るものだなんて、なぜ思うの?
突然降って湧くものですよ
話し合わずに来て、残された家族が一生後悔するのを何人見てきたと思ってるの?
ぼっちもだ
意識無かったら基本延命だぞ
心して話し合え
夫は事故死、父は肺癌発覚後2週間で亡くなった。
この広告を見た時、
「ホンマその通りやわ。。。」
って、しんみりした。
人によって感じ方は違う。
私は色々考えるキッカケになって良かった。
これに文句言う人って、出産とか手術の前に合併症の話をすると、「こんな時に怖い話するな」とか言い出す人たちと同類なのかな?
あと、癌ともなんとも書いてないのに、いきなり癌患者に絡めて話し出す団体は、結局自分中心でしか考えてないってことを自白しているような。
家族が笑顔並んで「人生会議しましょ」ってなポスターが良かったの?
「自分や家族の死を想像できない人達が多いこと」が問題なのに。
突然聞かれるんだよ
「人工呼吸器どうしますか?」「どこまで希望されますか?」って
反対の声
昨日ツイッターに載せたあのグロテスクな厚労省の人生会議のポスター、現物を要求したら昨日の段階で配布をとりやめることが決まったと。人生会議って、どう患者さんに諦めさせるか、治療せずに死なせるかを誘導するための会議だったのかと思わせるほど配慮がない。どう生きることを支えるかは視野の外
— あべともこ(衆議院議員・神奈川12区・立憲民主党) (@abe_tomoko) November 27, 2019
最悪。
人生会議(ACP)の厚労省作成のポスターだそうな。
これで将来のこと話し合いたいと思う?
怖がらせてどうする?
話し合いということをイメージさせなきゃどうする? pic.twitter.com/KKMBYrHrW2— 二刀流の緩和ケア医 廣橋猛 (@hirohashi_med) November 25, 2019
そもそも、このポスターの内容だと、何を誰と何のために語り合っておくのか、「人生会議」が目指すもののイメージがわかないんですよね。誰かを傷つける可能性以前に、啓発ポスターの機能を果たしていないのが根本的な問題だと思います。
最後に
賛否両論で色々と意見が出ていますが、配慮は必要ではありますが、後悔をしないように事前にその事について考えるきっかけとしては十分な役割を果たしているものではないかと思います。
物事には何をしても必ず反対をする人も出てくるため、色々と難しい問題ですが、人間にとって「死」は必ず訪れるものですが、普段はあまり意識していない方も多いです。
もしものときのために、親しい人と一度こうした話を持つ機会と考えるのはどうでしょう。


